JR東日本は同社初の試みとして、一般の利用者と長野支社の社員が協働でダイヤを作成して企画した臨時列車「アラカルトトレイン」を2023年12月15日(金)に篠ノ井線・中央本線と大糸線で運転します。
JRのプロ社員が“スジ”の引き方を伝授
長野支社は、列車のダイヤ作成に必要な基礎知識を学べる有料イベント「ダイヤ作成講座」を2023年5月から不定期で実施してきました。9月23日(土・祝)に松本運輸区(長野県松本市)で開かれた「臨時列車設定編」は、実際に運転する臨時列車に設定するダイヤをプロフェッショナル社員と一緒に作成体験できるという内容でした。
まず、車両は「リゾートビューふるさと」で使用しているHB-E300系とする、列車種別は通過駅のある快速とする、運転区間は「松本駅〜上諏訪駅間」「松本駅〜信濃大町駅間」を各1往復するという基本条件が示されました。そのうえで、ホームのない番線を発着する、普段は快速列車が止まらない駅に停車するなど、あらかじめ用意されたメニューを選択して詳細なダイヤへと落とし込みます。
イベントはJR東日本グループのECサイト「JRE MALL」でオークション形式で販売され、権利を勝ち取った2名の一般参加者が社員の指導のもと、それぞれの区間のダイヤを組み上げました。今回、篠ノ井線・中央線方面は「アラカルトトレイン中央」、大糸線は「アラカルトトレイン大糸」の列車名で1日限定の臨時列車として運転することが正式に決定しました。
(臨時快速「アラカルトトレイン」の運転ルート、停車駅、発着時刻と注目スポットなど詳細は下の図表を参照)
「リゾートビューふるさと」車両で未知なるルートへ
アラカルトトレイン中央は上下列車で経路が異なり、松本駅10:18発の上りはみどり湖駅経由、上諏訪駅11:45発の下りは辰野駅経由で運転します。1982年(昭和57年)の移転まで旧塩尻駅があった場所で、現在は貨物ヤードとなっている「塩尻大門」に上下列車とも入駅する点は注目ポイントです。また、上りは南松本駅、下りは岡谷駅で、それぞれ営業列車が普段は使用しない番線に停車します。
アラカルトトレイン大糸は、下り列車が松本駅13:46発、上り列車が信濃大町駅16:22発です。下り列車は、HB-E300系車両としては初めて松本駅6番線から発車し、途中の有明駅ではホームのない番線を発着します。上り列車はリゾートビューふるさとが通過する一日市場駅、島内駅、北松本駅の3駅に停車するのが珍しく、さらに一日市場駅では通常は下り列車が使用する番線を経由します。
各列車とも団体専用列車ではなく、「JR時刻表」に掲載される一般の臨時列車として運転されるところも画期的です。全車指定席で、乗車券のほか指定席券を購入すれば乗車可能です。なお、リゾートビューふるさと車両を使用しますが、おもてなし担当のアテンダント乗務や車内販売は行われません。
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